JR西日本 芸備線
岡山県新見市の備中神代駅と広島県広島市の広島駅を結ぶ159.1㎞の路線。かつては木次線と合わせて陰陽連絡線として機能していたが、モータリゼーションの進行や伯備線の整備によりその役目を失った。三次~広島間は県都と北部の中心都市を結ぶ都市間鉄道として快速「みよしライナー」が運行されている。三次を境に運行本数は激減し、折り返し列車のある備後庄原を過ぎると上り4本、下り5本となる。三次~塩町間では福塩線の列車も乗り入れるが、こちらも本数は少ない。広島支社と岡山支社の境界である備後落合を挟んで、備後庄原~備後落合~東城~備中神代間は沿線人口の少なさと流動との不一致ゆえに輸送密度が極めて低く、平成27~29年度の一日平均輸送密度は備後庄原~備後落合間が62、備後落合~東城間が11、東城~備中神代間が81であった。100円を稼ぐのにいくらかかるかを示す営業係数は東城~備後落合間が25,416で、西日本一の赤字路線と言える。全線にわたって輸送密度が2000を下回っており、今後については予断を許さない状況である。広島~備後庄原間は私鉄の芸備鉄道によって建設され、昭和8(1933)年6月1日に備後十日市(現:三次)~備後庄原間が国有化されて庄原線となり、昭和10(1935)年12月20日に備後落合まで延伸した。備中神代側からも工事が進められ、昭和5(1930)年2月10日に三神線として矢神まで開業したのを皮切りに延伸を繰り返し、昭和11(1936)年10月10日の小奴可~備後落合間の開業で全通し、庄原線を編入した。そして昭和12(1937)年7月1日に芸備鉄道のまま残っていた広島~備後十日市間を国有化して編入し、芸備線に改称した。